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中高年に多い膝の痛み(変形性膝関節症)

秋も深まり気候も良く紅葉狩や食べ歩きなどチョット出かけてみたいと思うような季節になりました。

子ども達も巣立ち自分の時間もようやく持てて旅行も出来るようになったのに膝が痛くて友達と同じスピードで歩けない、観光地の階段や坂道のことを思うと旅行に誘われても腰が引けてしまうという人は意外と多くいらっしゃいます。

50歳を過ぎるころから膝に痛みを訴える人が急増します。

原因としては、食生活が欧米化して飽食、高カロリーとなっているために上半身は大きく重くなり下半身は逆に固く弱くなっているので膝への負担が増していること。
そして、外出となると玄関先から目的地まで車で移動する、いわゆるdoor to doorで歩くことが激減し、家電製品の進歩によっても体を動かさなくなりこれら便利な生活が中高年の膝痛の原因となっています。

膝の関節は大腿骨と脛骨からできています。

関節を形成している骨の表面は厚さ3~4mmの丈夫な関節軟骨で覆われており強い衝撃に耐えられるようになっています。

その軟骨は通常、分解と合成が繰り返されているのですが加齢に伴い分解よりも合成する能力がどうしても落ちてきます。

その為、関節軟骨は薄くなり、結果として衝撃に弱くなり痛みが出て来るのです。 また、女性は更年期を迎えますと関節軟骨の分解と合成に関係するホルモンにも悪影響が出て関節軟骨が男性に比べて擦り減りやすくなります。

その為50歳を過ぎますと膝の痛みを訴える女性は男性に比べ3~5倍の数にもなります。

中高年に多い変形性膝関節症の症状は、概ね三段階に分かれます。

次にその三段階とおおよその治療期間を示しますが、これは患者さんの個人差も大きく、生活習慣によっても大きく左右されますので参考程度にしてください。

初期は膝関節が強ばり、曲げ伸ばしが以前に比べて十分にできなくなり、膝が重く感じます。

しかし、熱感や腫れはありません。この段階であれば数回の治療で痛みなどは改善されます。 これが中期となると炎症による熱感、腫れが見られるようになります。

そして立ち座りや歩き初め、特に階段の上り下りに痛みが出ます。

一般に水が溜まって腫れたといわれる様な状態になります。 この水は滑液のことで関節を栄養したり潤滑液の働きをしています。 健康な時は、この滑液の分泌と吸収のバランスは、一定に保たれています。

しかし、関節に炎症がおこりますと分泌される量が吸収される量を上回り余ったものが関節を腫れさせて痛みや膝から下の重怠さの原因となります。

この為、治療は炎症を出来るだけ早く鎮めて滑液の分泌量を元に戻すことが肝要となります。 半月から一か月10回程度の施術をしないと改善されません。  これが後期になりますと膝関節が変形して筋肉が痩せて鶴の膝のようになりO脚となります。 動かさないでいても痛みが出てきて曲げ伸ばしが思うようにできなくなります。 更に悪化しますと壊死や骨髄死にまで至ることがあります。

残念ながら変形したものを元に戻すことは出来ません。 しかし、壊死や骨髄死は別にして定期的な治療と自宅施灸、適切な筋力アップにより痛みの軽減は可能です。

膝が痛いと体を動かすのが辛く運動不足となりストレスも加わり、つい食べてしまい体重が増えます。 そして、体重が増えれば膝への負担も増えて悪循環に陥ってしまいます。 その様なことにならないように 今の膝の状態を少しでも改善して日々の生活を楽しく前向きに送るために、鍼灸治療をぜひ役立ててください。

体の不調を考える 2023年10月8日